◎エルサルバドルで昨年確認された殺人事件は214件。2015年に記録した6656件の30分の1にまで減少した。
2022年3月30日/エルサルバドル、首都サンサルバドルの刑務所(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

エルサルバドル議会は9日、ブケレ(Nayib Bukele)大統領によるギャング非常事態宣言の期間を1カ月延長した。この宣言が延長されたのはこれで24回目だ。

議会は宣言の1カ月延長を求める議案を賛成多数で可決した。

ブケレ氏は2022年3月、ギャング関連の殺人事件が多発したことを受け、非常事態を宣言。刑法を改正するなどしてギャング掃討作戦を本格化させた。

それ以降に逮捕されたギャングまたはギャングと疑われる市民は8万人近くに達した。そのうち約7000人は証拠不十分で釈放されている。

非常事態令により、警察の権限は大幅に強化され、結社の自由や弁護人を選任する権利なども制限。警察は令状なしで家宅捜索を行ったり被疑者を拘束できるようになった。

エルサルバドルで昨年確認された殺人事件は214件。2015年に記録した6656件の30分の1にまで減少した。

今年1~2月末の件数は18件。昨年同時期を下回っている。

ブケレ氏は先月の大統領選で大勝。同国史上初となる再選を決めた。

エルサルバドルの憲法は同一人物が2期連続で大統領を務めることを禁じているが、1期(5年)間隔を空ければ立候補できる。しかし、高等選挙裁判所は昨年、ブケレ氏の出馬を認めた。

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