◎エルサルバドルはレイプ、近親相姦、命にかかわる病気で出産が不可能になった場合も中絶を禁じている。
2021年8月13日/エルサルバドル、首都サンサルバドルの刑務所前、中絶禁止法に反対する女性たち(ロイター通信)

エルサルバドルのNGOは10日、人工妊娠中絶を行い起訴された女性が殺人罪で禁固30年の実刑を言い渡されたと明らかにした。

中絶の非犯罪化を求める市民グループによると、判決は9日に言い渡されたという。女性は出産間近に体調を崩し、中絶しなければ死亡する可能性があったとされる。

市民グループは声明の中で、「女性は公判が始まるまで2年間拘留されていた」と明らかにし、判決を非難した。「裁判所は中絶せざるを得なかったという事情を考慮せず、固定観念にとらわれた非人道的な判決を下しました」

エルサルバドルは中絶を全面的に禁止しており、妊婦が命の危険にさらされようとも決して認めず、多くの女性を逮捕している。

権利団体は物議を醸す中絶禁止法の一部を改正し、レイプ、近親相姦、命にかかわる病気で出産が不可能になった場合などは中絶を認めるよう議会に何度も請願しているが、すべて却下されている。

記録によると、この20年間で少なくとも180人の女性が中絶で起訴された。そのうち64人は釈放、長期刑を受けた8人は減刑されている。

進歩主義者のブケレ大統領は西半球で最も過酷な法律を強く支持しており、権利団体の請願却下を歓迎している。ブケレ大統領は同性結婚にも反対している。

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