◎陸軍兵士らで構成される治安部隊はサンサルバドル近郊の3つの地区を取り囲み、検問所を設置した。
2022年8月16日/エルサルバドル、首都サンサルバドル郊外、ギャングの構成員とみられる男たち(Salvador Melendez/AP通信)

エルサルバドル政府は11日、ギャング掃討作戦の一環として、首都サンサルバドル近郊の3つの地区に陸軍兵士ら約4000人を派遣した。

ブケレ(Nayib Bukele)大統領は昨年3月、ギャング関連の殺人事件が多発したことを受け、非常事態を宣言。刑法を改正するなどしてギャングの取り締まりを強化した。

それ以降に逮捕されたギャングまたはギャングと疑われる市民は7万2000人を超え、その大半が裁判を受けることなく刑務所に勾留されている。

非常事態令により、警察の権限は大幅に強化され、結社の自由や弁護人を選任する権利なども制限。警察は令状なしで家宅捜索を行ったり被疑者を拘束できるようになった。

また刑法改正により、ギャングに所属し逮捕された幹部の懲役刑は6年以上9年以下から「40年以上45年以下」、その他の構成員は3年以上5年以下から「20年以上30年以下」に引き上げられた。

ブケレ氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「非常事態令はギャングを根絶するまで何度でも何度でも延長するので、安心してほしい」と国民に呼びかけた。

地元メディアによると、陸軍兵士らで構成される治安部隊はサンサルバドル近郊の3つの地区を取り囲み、検問所を設置したという。

ブケレ氏はこうツイートしている。「最後のテロリストを捕らえるまで、我々はやめない。小さな残党の再結集も決して許さない。多くの犠牲を払った平和を奪うことは許さない...」

地元のテレビ局は関係者の話しとして、「3つの地区に出入りする際は身元チェックを求められ、タトゥーをしている者や、ギャングが潜伏している地域で生活している者は取り調べの対象になる可能性がある」と伝えている。

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