◎人民権力全国会議の選挙は5年ごとに行われる。議員は表向きは全員無所属だが、共産党の支配下に置かれている。
2023年3月26日/キューバ、首都ハバナの投票所、ロドリゲス外相(Ramon Espinosa/AP通信)

キューバで26日、人民権力全国会議(国会)選挙が行われた。

国営メディアによると、定数470のうち立候補を許可されたのは共産党の許可を得た470人のみ。野党の対抗馬はどこにもおらず、結果は投票前から決まっているため、投票率に注目が集まっている。

米国の制裁下におかれるディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領ら共産党指導部はパンデミックによる観光業の低迷とインフレがもたらした歴史的な経済危機を打破するために奮闘している。

国営メディアによると、議会選の投票率はこの10年減少傾向にあるという。

昨年11月の地方選の投票率は69%。国際基準で見ると高い方だが、キューバでは「投票は国民の義務」と考えられており、31%が棄権したことは驚きを持って報じられた。

2018年議会選の投票率は86%、2013年は94%だった。

キューバ共産党は対立候補のいない選挙について、「国の結束を高める取り組みのひとつ」と説明している。

ディアスカネル氏は出身地のビジャクララ州で投票を行った。同氏は記者団の取材に対し、経済的な困難、停電、燃料不足が続いていることを認めた。

今回の投票率はさらに低迷し、今後も減り続けると予想されている。

米国に移住したキューバ人はこの数カ月で30万人を超え、数十万人が米国境付近で手続きを待っている。移住した人も選挙権を持っているが、米国に投票所がないため投票できない。

人民権力全国会議の選挙は5年ごとに行われる。議員は表向きは全員無所属だが、共産党の支配下に置かれている。

国営メディアによると、立候補した470人のおよそ半数が市町村議会議員の経験者。

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