◎5日遅くの落雷によりタンクの1つで火災が発生し、その後、別のタンク2基に延焼した。
2022年8月7日/キューバ、マタンサス州沿岸、石油備蓄基地の火災を見守る男女(Ramon Espinosa/AP通信)

キューバの消防当局は7日、マタンサス州沿岸の石油備蓄基地で発生した火災について、メキシコとベネズエラから派遣された特別チームと消火に当たっていると報告した。

当局によると、5日遅くの落雷によりタンクの1つで火災が発生し、その後、別のタンク2基に延焼したという。

共産党の報道官は7日の声明で同盟国の支援に謝意を示し、「消防は他のタンクを保護する取り組みを続けている」とした。

共産党によると、基地内にはタンクが8基あり、そのうち3基で火災と爆発が発生した。また、最初に火災が発生したタンクの石油はほぼ消費されたとみられるという。

消防は6日、現場で消防士1人の死亡を確認したと発表した。当局は消防士17人と連絡が取れなくなったと報告しているが、この消防士がそのうちの1人かどうかは分かっていない。

消防は別の声明で消火活動を継続すると述べているものの、行方不明者の捜索は二次災害を引き起こす可能性があるため、消火を優先するとしている。

当局は122人が重軽傷を負い、そのうち5人が重体と発表した。

一方、マタンサス州知事によると、基地近くで生活する住民約5000人が避難を余儀なくされたという。

基地から立ち上る黒煙は首都ハバナ近郊まで広がった。共産党は7日、この黒煙には二酸化硫黄、窒素酸化物、一酸化炭素、その他の有害物質が含まれているとし、黒煙が広がった地域の住民に不要不急の外出を控えるよう呼びかけた。

この火災は燃料不足に苦しむキューバの経済に大打撃を与える可能性がある。同国では計画停電が常態化している。

共産党指導部は同盟国に支援を要請し、メキシコとベネズエラの専門家チームが6日遅くに現地入りした。AP通信によると、このチームは消防ヘリや石油火災専用の化学薬品を準備しているという。

石油基地の火災では燃焼表面を泡で覆って空気を遮断する泡消火剤などが使用される。

メキシコ軍の報道官は声明で、「水と泡消火剤により火災を鎮める」と述べた。「政府はより多くの支援を用意しています...」

ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領は6日遅くに現地入りし、メキシコとベネズエラのチーム責任者と会談した。

ディアスカネル氏は国営テレビの取材に対し、「キューバは今回のような大規模火災に対処した経験がないため、同盟国の支援に感謝する」と述べた。

共産党の外務副大臣は6日、自身のツイッターアカウントに、「米国が技術支援を提供してくれた」と投稿したが、ディアスカネル氏は米国の支援には言及せず、ロシア、メキシコ、ベネズエラ、ニカラグア、アルゼンチン、チリから支援の申し出があったと述べている。

2022年8月6日/キューバ、マタンサス州沿岸の石油備蓄基地(Ramon Espinosa/AP通信)
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