◎キューバはパンデミック以来、史上最悪の経済・エネルギー危機に直面しており、停電が常態化。1日数時間は当たり前、長い時は8時間を超える。
中米キューバで18日に発生した大規模停電は19日午後になってもほとんど復旧せず、多くの市民がウンザリした様子で冷蔵庫を確認したり、テレビがつかないかチェックしている。
キューバの人口は約1100万人。そのほとんどが電気を失ったとみられる。
共産党は19日、一部地域の停電が解消したと発表したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
AP通信によると、大統領府の報道官が一部地域の復旧を発表した後も、首都ハバナの中心部では停電が続いているという。
共産党は18日の正午前に主要発電所でトラブルが発生し、送電網がクラッシュしたと発表。原因は不明であり、国営電力会社が調査中とのこと。
ディアスカネル(Miguel Díaz-Canel)大統領は19日、X(旧ツイッター)に声明を投稿。復旧作業に当たる関係者に謝意を示し、「全国民の力を結集してこの危機を乗り切ろう」と呼びかけた。「私も不眠不休で働いています...」
それによると、全国の電力容量は通常3ギガワットで、19日に0.5ギガワットまで回復したという。西部のいくつかの変電所が復活し、通電した地域があるとされる。
さらに2つの発電所が復旧、別の2つの発電所も数時間以内に復旧する見通しとのこと。
全国の半数の世帯が18日午後、残り半数は19日未明に停電したとされる。
国営電力会社は19日未明の声明で、「西部のシステムの一部が停止した後、送電網全体が遮断された」と述べていた。
約200万人が生活するハバナの通りは19日、ろうそくとランプで照らされ、車もほとんど通らず、静かであった。
停電の影響は照明だけにとどまらず、水道もポンプを動かす施設が停電で停止しているため、断水している。
キューバはパンデミック以来、史上最悪の経済・エネルギー危機に直面しており、停電が常態化。1日数時間は当たり前、長い時は8時間を超える。
さらに食料不足とインフレが危機に拍車をかけ、数十万人が国外に逃亡。その大半が米国を目指している。