◎事件はバハカリフォルニア州郊外の砂漠地帯で29日早朝に発生。正体不明の男が14人のメキシコ人移民グループに向けて発砲した。
メキシコ南部、米国への移住を希望する人々(Getty Images)

米国との国境に近いメキシコ北西部バハカリフォルニア州で移民の一団が銃撃を受け、2人が死亡、3人が負傷した。地元当局が9月30日、明らかにした。

それによると、事件は同州郊外の砂漠地帯で29日早朝に発生。正体不明の男が14人のメキシコ人移民グループに向けて発砲したという。

男はたまたま近くを通りかかった移民局の職員が駆け付けると車に乗り逃亡した。

バハカリフォルニア州警察は声明で、「2人が死亡、3人が銃創を負って入院した」と明らかにした。残り9人にケガはなかった。

地元メディアによると、事件現場は先住民族の聖地のひとつ。立ち入り制限等はなく、人身売買組織が好んで利用するルートとして有名だという。

警察が男の行方を追っている。

移民が銃撃される事件の多くに麻薬カルテルや地元のギャングが絡んでいる。これらの組織は移民に通行料を要求し、拒否した場合は誘拐したり、その場で射殺することもあるようだ。

また移民は国境周辺を徘徊する窃盗団にも狙われやすい。

2021年には北東部タマウリパス州の米国国境近くで移民19人が射殺され、遺体が焼き払われる事件が発生。裁判所は最近、この事件に関与した警察官11人に実刑判決を言い渡した。

逮捕された警察官たちは当初、麻薬組織「湾岸カルテル」の車を追跡する中で銃撃戦になり、移民19人が巻き込まれて死亡したと主張していた。

グアテマラと国境を接するメキシコ南部チアパス州では28日、移民を乗せたトラックが高速道路で横転し、2人が死亡、27人が負傷した。

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