難破船に11人の遺体、アフリカ移民か セントビンセント・グレナディーン
地元警察は26日の午前10時45分頃、「ビーチに不審なボートがある」という複数の通報を受けた。
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カリブ海の島国セントビンセント・グレナディーンの警察は27日、カヌアン島の海岸にボートが打ち上げられ、アフリカ西部・マリ共和国出身とみられる11人の遺体を発見したと明らかにした。
それによると、地元警察は26日の午前10時45分頃、「ビーチに不審なボートがある」という複数の通報を受けたという。
国家警察の長官は声明で、「捜査員がボートを調べたところ、腐敗した11人の遺体とマリ共和国のものと思われる数冊のパスポートを発見した」と述べた。
また長官は遺体をセントビンセント島に移し、身元の確認を行う予定であると明らかにした。
近隣のセントクリストファー・ネビスでは今年1月、沿岸警備隊が沖合で難破船を発見し、19人の遺体を収容。捜査の結果、このうち何人かは大西洋を挟んで東に約6200キロほど離れたマリ出身であることを示す資料が見つかった。
地元メディアは当時、警察関係者の話しとして、「19人は全員黒人とみられ、アフリカ北西部沖で遭難し、ここまで流されてきた可能性がある」と報じていた。
サハラ砂漠以南の紛争地から逃れた何万人もの移民がアフリカ北西部のモーリタニア、モロッコ、アルジェリア、セルビアからスペイン領カナリア諸島を目指し出港する。このルートは世界でも最も危険な航路のひとつであり、遭難したらまず助からない。
スペインのNGO「カミナンド・フロンテラス(Caminando Fronteras、CF)」は昨年末、24年1月1日~12月5日までの間に海路でスペインを目指した移民1万457人が死亡または行方不明になったと明らかにした。