◎野党や権利団体は今年予定されている総選挙を前に、政府の弾圧が強化されたと非難している。
ジンバブエの機動隊(Getty Images)

ジンバブエの野党は14日、警察が首都ハラエ郊外で行われていた政治集会を襲撃し、国会議員を含む25人を逮捕したと発表した。

野党「変革のための市民連合(CCC)」は地元メディアの取材に対し、「マチンガウタ(Costa Machingauta)議員とその妻、17歳の娘らが機動隊に殴られ、連行された」と語った。

ハラレ警察の報道官はAFP通信の取材に対し、「集会は許可を得ておらず、逮捕された者たちは公序良俗に違反した罪で起訴されるだろう」と語った。

また報道官は「無許可集会に参加することも犯罪であり、取り締まりの詳細は15日に公表されるだろう」と述べ、国会議員が殴られたという質問には答えなかった。

野党や権利団体は今年予定されている総選挙を前に、政府の弾圧が強化されたと非難している。

CCCの報道官はツイッターに声明を投稿。「与党ZANU-PF(ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線)は警察を利用して政敵を排除している」と非難した。

またCCC報道官は今回の取り締まりについて、「機動隊はマチンガウタ氏の自宅を包囲し、暴力的に集会を打ち切った」と説明した。「機動隊はマチンガウタ氏と家族を殴りました。野党は戦争ではなく選挙を望んでいます...」

ジンバブエを37年間統治したZANU-PFのムガベ(Robert Mugabe)前大統領は2017年の軍事クーデターで失脚し、翌年総選挙が行われた。

当時の野党「民主変革運動(MDC)」を率いるチャミサ(Nelson Chamisa)党首は大統領選に立候補したが、ZANU-PFのムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)大統領に敗れている。

ムガベ氏の右腕だったムナンガグワ氏は貧困対策、インフレ抑制、慢性的な停電の解消に取り組もうとしているが、政策はうまく機能せず、国民の不満は高まるばかりだ。

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