◎野党はこの法案を強く批判し、与党寄りの裕福な者だけが選挙に出馬できるようになると主張している。
ジンバブエのムナンガグワ大統領(Tony Karumba/AFP通信/Getty Images)

ジンバブエ政府は15日、選挙における供託金を引き上げる法案を閣議決定した。

これにより、大統領選の供託金は2万米ドル、議会選は1000米ドルに引き上げられることが確実となった。

供託金はジンバブエ・ドルではなく米ドルで支払う必要がある。

野党は権威主義的な政策で知られるムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)大統領に立候補費用の引き下げを求めていたが、受け入れられなかった。

同国は8月23日に総選挙(大統領選と議会選)を予定している。

地元メディアによると、法案が成立すると、供託金の額は2018年の20倍に引き上げられることになる。

与党・ZANU-PF(ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線)の議員は14日の国会審議で、「供託金引き上げは当然のことである」と主張した。

野党はこの法案を強く批判し、与党寄りの裕福な者だけが選挙に出馬できるようになると主張している。

同国を37年間統治したZANU-PFのムガベ(Robert Mugabe)前大統領は2017年の軍事クーデターで失脚し、翌年総選挙が行われた。

再戦を目指すムナンガグワ氏は現在80歳。最大のライバルは前回選挙で野党を率いたチャミサ(Nelson Chamisa)党首である。

野党は昨年3月の補欠選挙で28議席中19議席を獲得し、ZANU-PFに勝利した。

ムナンガグワ政権はインフレ、貧困、慢性的な停電など、多くの問題に悩まされ、支持率を落としている。

ジンバブエ・ドルの信頼は2008年の歴史的なハイパーインフレでその価値が一掃されて以来、低迷し続けている。インフレ率は世界記録とされる50億%に達し、政府が発行した100兆ジンバブエ・ドル紙幣は伝説となった。

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