◎ジンバブエ・ドルの信頼は2008年の歴史的なハイパーインフレでその価値が一掃されて以来、低迷している。
ジンバブエの通過RTGSドル(Getty Images)

ジンバブエ政府は来月、デジタル通過を導入する予定だ。

ジンバブエ準備銀行(中銀)は28日、デジタル通過について、個人や企業間の取引を加速させると期待を表明した。

バハマ、ジャマイカ、ナイジェリア政府はデジタル通貨を導入している。中国を含む他の数カ国も試験的なプロジェクトを実施。イギリスは意見公募手続きを行い、米国とEUも同様の取り組みを検討している。

ジンバブエ準備銀行は声明で、「デジタルRTGSドル(ジンバブエ・ドル)は銀行が保有する金によって完全に裏付けされる」と述べた。

また同行は「市民はデジタル通貨を購入し、お金を貯めたり、個人および企業との取引・決済手段として使用することができる」とした。

それによると、デジタルRTGSドルは同行が管理する「e-goldウォレットまたはe-goldカード」を使って取引できるという。

ジンバブエ・ドルの信頼は2008年の歴史的なハイパーインフレでその価値が一掃されて以来、低迷している。インフレ率は世界記録とされる50億%に達し、政府が発行した100兆ジンバブエ・ドル紙幣は伝説になった。

2009年に発足した連立政権はジンバブエ・ドルを廃止し、米ドルと南アフリカの通貨ランドを法定通貨に採用。その後、2019年にジンバブエ・ドルを再導入し、その価値は米ドルと等価と規定した。

政府は現地での外貨取引を禁じたが、法律を守る者は少なく、闇市場が繁栄した。

市民は悲惨なインフレを忘れておらず、多くの人が闇市場で米ドルを購入し、自宅に保管しているようだ。

ジンバブエ・ドルへの信頼は非常に低く、多くの小売店や一部の政府機関でさえもそれを受け入れていない。

現在の公式為替レートは1ドル=1000ジンバブエ・ドル強。闇市場ではその2倍で取引されている。

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