▽ジンバブエは絞首刑を採用している。最後に死刑が執行されたのは2005年である。
絞首刑のイメージ図(Getty Images)

アフリカ南部・ジンバブエのナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)大統領が12月31日、死刑制度を廃止する刑法改正案に署名した。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは声明で刑法改正を称賛する一方、非常事態が発生すれば死刑が復活する可能性があるとして、政府に対し、死刑制度を永久に葬り去るよう促した。

上下両院は今月初めに賛成多数で法案を可決した。

ジンバブエは絞首刑を採用している。最後に死刑が執行されたのは2005年である。

アムネスティによると、同国では23年末時点で約60人が死刑囚となっている。

国営テレビは12月31日、司法当局者の話しとして、「最高裁は死刑囚の犯罪の性質、死刑囚として過ごした期間、個人的な状況を考慮し、刑を見直すよう全国の地方裁に命じた」と伝えている。

死刑囚たちは再判決を受けることになるようだ。

死刑制度はイギリス植民地時代に導入された。

ムナンガグワ氏は死刑反対を公言してきたが、10年以上前に始まった法改正の議論は遅々として進まず、ようやく刑法改正が実現した。

ムナンガグワ氏は1960年代の独立戦争中に列車を爆破した罪で死刑を宣告され、後に懲役10年に減刑された自身の経験を引き合いに出し、死刑制度を批判してきた。

アムネスティによると、世界の約4分の3の国が死刑を採用していない。アフリカの30カ国以上が死刑制度を維持しているものの、近年執行した国はその半分以下となっている。

23年に世界各国で確認された死刑執行数は1153人。22年の883人を上回ったが、執行した国は20カ国から16カ国に減少した。北朝鮮、中国、ベトナムは含まれていない。

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