◎コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。
経口生コレラワクチンの接種(Getty Images)

ザンビアの保健当局は17日、全土でコレラ患者が急増していることを受け、経口生コレラワクチンの接種キャンペーンを開始した。

当局によると、全国の感染者数は確認できているだけで9500人を超え、少なくとも363人が死亡したという。

コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。コレラ菌に汚染された水を飲んだり食品を食べたりすることで感染する。

当局は最近の大雨で広い範囲が冠水し、水源が汚染された結果、感染者が急増したと報告している。

コレラの流行は昨年10月初旬頃から始まり、首都ルカサを含む都市部だけでなく郊外の町や集落にも拡大した。

保健当局はルカサ中心部のスタジアムにワクチン接種センターを開設。中央政府は拡大を食い止めるために、初等・中等学校の冬休みを3週間延長した。

地元メディアによると、保健当局は世界保健機関(WHO)などの国際パートナーが提供する140万人分のコレラワクチンの第一陣を15日に受け取ったという。

保健省の報道官は15日の会見でWHOやユニセフなどのパートナーに謝意を表明した。

それによると、WHOは170万人分のコレラワクチンを追加提供することを承認したという。

ザンビアでは昨年、過去数十年で最悪の洪水が発生。数千人が住まいを失い、多くの水源が汚染された。

ザンビアの隣国ジンバブエでもコレラが蔓延。中央政府は昨年11月に非常事態を宣言した。WHOによると、ジンバブエでは昨年2月以来300人近くが死亡している。

WHOはアフリカ大陸でコレラが蔓延していることに深刻な懸念を表明している。

2022年の世界のコレラ感染者は約47万3000人。21年の22万人から倍増した。昨年は9月末の時点で58万人に達していた。

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