◎国際的に認められたイエメン政府とシーア派反政府組織フーシの戦争は2014年に本格化し、これまでに民間人約12,000人を含む13万人以上が死亡した。
2021年3月2日/イエメン、フーシ派の占領下に置かれている首都サナアの病院(ゲッティイメージズ/モハメッド・フワイス/AFP通信)

3月20日、国連児童基金はイエメンの戦闘で今月死亡した子供は少なくとも8人、負傷者は33人に達したと発表した。

国際的に認められたイエメン政府とシーア派反政府組織フーシの戦争は2014年に本格化し、これまでに民間人約12,000人を含む13万人以上の死亡が確認されている。

ユニセフのイエメン代表、フィリップ・ドゥアメル氏は、政府軍とフーシ派の戦闘が激化しているタイズ州やホデイダ州などで子供たちが犠牲になったと述べた。

「私たちは罪なき多くの子供たちを犠牲にする一連の攻撃を非難します。戦争を望まない子供やその家族を巻き込む戦闘は速やかに終わらせなければなりません」

「タイズ州の学校や病院も標的にされました。学校は政府軍の拠点ではありません。子供たちはフーシの戦闘員に切られ、撃たれ、死亡しました

フーシ派は首都サナアを含むイエメンの都市の大半を支配下に置いており、サウジアラビアの支援を受ける政府軍は都市の奪還作戦を6年以上続けている。

ドゥアメル氏は、政府軍の重要な拠点のひとつであるマリブ州を含む他の州でも戦闘が激化しており、多くの市民が負傷していると述べた。フーシ派はマリブ州の奪還作戦を進めており、サウジの最新鋭のドローン爆撃機などを駆使する政府軍と激しい市街戦を繰り広げている。

国連移民局によると、マリブ州に対するフーシ派の攻撃で土地を追われる市民は38万人を超える可能性があるという。戦闘は2月初めに本格化し、これまでに州内に設置された4つの難民キャンプが放棄されている

イエメンの混乱と苦悩はフーシ派の首都奪還以来、悪化し続けている。

サウジアラビアに逃亡したアブド・ラッボ・マンスール・ハディ大統領はサウジとアメリカの支援を受けてフーシ派と戦ってきたが、内戦が終結する見通しは全く立っていない。アメリカは先月、フーシ派の「アンサー・アッラー」に対する外国テロ組織(FTO)の指定を解除し、サウジへの武器の供給を停止したうえで、市民への支援を加速させ人道的危機に対処すると発表した。

国連はフーシ派の支配下に置かれている地域への食料と医療の提供が滞っており、問題を解決できなければ1,000万~2,000万人が餓死する可能性があると警告している。

2021年3月2日/イエメン、首都サナア、フーシ派の戦闘員たち(Shutterstock/YahyaArhab/EPA通信)
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