◎エジプト経済はコロナウイルスの大流行による観光業の低迷、ロシアによるウクライナ侵攻、通貨暴落で大打撃を受けている。
エジプト、首都カイロの市場(Getty Images)

世界銀行は22日、理事会がエジプトの民間セクター強化および、気候変動対策を支援する5年総額70億ドルの融資を承認したと発表した。

それによると、理事会は21日に融資を承認したという。エジプト政府は昨年末にも国際通貨基金(IMF)の融資を確保している。

世銀は声明の中で、「この融資はエジプトの民間セクターの雇用創出を後押しするだろう」と述べている。

また世銀は医療・教育セクターや社会保護プログラムの改善にもつながるとしている。

世銀のエジプト・イエメン・ジブチ担当はSNSに声明を投稿。理事会の決定を歓迎した。「我々はエジプトとの戦略的パートナーシップを継続できることを誇りに思い、エジプト人の生活の質を向上させるための継続的な取り組みを支援していくと約束します...」

また同担当は気候変動対策を念頭に置き、「世銀とエジプトのパートナーシップは環境に優しく、包括的な開発の条件を整えるものであり、より良いものを作り上げる」と述べた。

エジプト経済はコロナウイルスの大流行による観光業の低迷、ロシアによるウクライナ侵攻、通貨暴落で大打撃を受けている。エジプトは世界最大の小麦輸入国であり、そのほとんどをロシアとウクライナから調達してきた。

同国の消費者物価指数(CPI)はこの1年上昇を続け、人口の大多数を占める低中所得者層の生活を圧迫している。

シシ政権はこの7年、世銀を含む国際金融機関から多くの融資を受け、低迷する経済を立て直す様々な政策を実行してきた。

昨年12月にはIMFの融資30億ドルを確保し、経済の「ゆがみ」を改善する歳出削減プログラムを推進すると約束した。シシ(Abdel Fattah el-Sissi)大統領はこの融資の見返りとして、為替レートの自由化や燃料補助金の削減など、IMFが求める財政健全化策を受け入れた。

しかし、先月のCPIは前年同月比で32.9%増となり、再び過去最高を更新。1月は26.5%増だった。

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