◎地球温暖化は洪水や山火事のリスクを高め続けている。
2022年9月13日/ケニア、首都ナイロビで行われた大統領就任式、ルト新大統領(Brian Inganga/AP通信)

ケニアのルト(William Ruto)新大統領は14日、野心的な気候変動対策を発表した。

声明によると、新内閣は2030年までに風力・地熱・太陽光発電などのクリーンエネルギーの比率を高め、化石燃料発電を段階的に廃止する予定だという。

ルト氏は13日の就任演説でも地球温暖化に言及し、アフリカ大陸がその影響を特に強く受けていると警告した。

またルト氏は石炭、石油、天然ガスの消費量を減らす必要があるという国連事務総長の緊急の呼びかけに同調し、「温暖化を防ぎ、脆弱な人々を助け、化石燃料依存を終わらせる取り組みを速やかに開始しなければならない」と訴えた。

ルト氏は国連に提出した気候変動に関する公約(国別貢献)の改訂版を引用し、「2030年までに太陽光、風力、地熱による電力供給体制に完全かつ公正に移行し、すべてのコミュニティがこの移行から利益を得られるようにする」と約束した。

「ケニアは雇用、地域経済、持続可能な産業を支援するクリーンエネルギーへの移行を進めています。私はアフリカのすべての国々に参加を呼びかけます。アフリカは世界をリードすることができます。私たちは再生可能エネルギーの計り知れない可能性を知っています...」

ケニアの気象専門家はこの取り組みを歓迎したが、アフリカ大陸で進行中の壊滅的な干ばつが水力発電の運用に大打撃を与えていることを考えると、この目標を2030年までに達成することは難しいかもしれないと指摘した。

ルト氏は11月に開催されるCOP27(気候変動枠組み条約第27回締約国会議)で気候変動の影響に対処するアフリカ諸国を支援するために、資金と技術の提供に関する交渉を主導すると述べている。

地球温暖化は洪水や山火事のリスクを高め続けている。主要国は7年前のCOP21で地球の気温上昇を産業革命以前の平均気温のプラス2度以下、可能であれば1.5度以下に抑えることに合意した。

昨年のCOP26の共同宣言では、気温上昇を産業革命以前の平均気温のプラス1.5度以内に抑えるという「努力目標」を世界の共通目標として明記した。

しかし、国連によると、産業革命以来、地球の平均気温はすでに1.1度上昇しており、世界が温室効果ガスの排出量を大幅に削減しない限り、気温の上昇は続くという。

その影響を最も強く受けているのがアフリカ諸国であり、ケニア、エチオピア、ソマリアなどの東アフリカでは歴史的な干ばつが進行する一方、スーダン、南スーダン、ナイジェリアなどでは大雨による洪水で数百人が死亡、数百万人が避難生活を呼びなくされている。

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