◎M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。
世界保健機関(WHO)は11日、アフリカ大陸におけるM痘(エムポックス)の流行が落ち着きつつあるという見通しを示した。
それによると、M痘変異株の新規感染者は多くの国で増加傾向にあるものの、震源地であるコンゴ民主共和国の症例数が減少しているという。
WHOは声明の中で、「M痘の検査がまだ普及していないため、変異株と従来の株がどのように広がっているかを正確に把握することは困難である」と述べた。
M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。
重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。
死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~3%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。空気感染を起こした事例は確認されていない。
アフリカで今年、M痘が確認された国は19か国。累計感染者は約4万8000人、死者数は1100人を超えている。
WHOのデータによると、コンゴの先週の新規感染者は100人以下。最も多かった7月は約400人であった。
コンゴでは約5万人がM痘ワクチンを接種している。アフリカ疾病予防管理センター(CDC)は流行を食い止めるには300万回のワクチンが必要と見積もっている。
アフリカCDCは先週、アフリカ大陸が大流行期に入る可能性があると警告。国際社会により多くの支援を求め、これを放置すれば世界の脅威になると警鐘を鳴らした。
WHOによると、ブルンジで変異株が流行期に入ったとみられる。先週の新規感染者は200人超。先々週も同程度であった。
先週100人の新規感染者が報告されたウガンダでも性行為によって変異株が広がっているとみられる。WHによると、感染者の大半が成人とのこと。
アフリカ大陸における感染者の85%、死者の99%がアフリカ中央部で報告され、そのうち、コンゴの死者が全体の99%を占めている。