◎3カ国は先月末、「ECOWASが非人道的な制裁を科している」と主張し、「同組織から脱退した」と発表した。
マリ共和国、首都バマコ、軍政を率いるゴイタ大佐(Getty Images/AFP通信)

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は8日、軍政の支配下に置かれたマリ、ブルキナファソ、ニジェールの3カ国が同組織の脱退ルールを無視して、離脱を急いでいると非難した。

ECOWASの高官らはナイジェリアの首都アブジャでこの問題について協議し、「前例のない一方的な脱退は容認できない」と断じた。

3カ国は先月末「ECOWASが非人道的な制裁を科している」と主張し、「同組織から脱退した」と発表した。

ECOWASの規定によると、脱退には少なくとも1年程度かかる。

ECOWASは共同声明の中で、「マリ、ブルキナ、ニジェールは軍事クーデターがもたらしたECOWASの制裁に腹を立て、脱退すると一方的に宣言した」と述べている。

このような形で加盟国が脱退するのはECOWASの約50年の歴史の中で初めてのことである。

西アフリカのアナリストは3カ国の脱退を「前例のない打撃」と指摘。民主主義を確立するというこの地域の目標に水を差し、他国の努力を脅かす可能性があると警告した。

ECOWASの委員長は記者団に対し、「加盟国の性急な決定は同組織の議定書に記載された規程を無視するものである」と語った。

また委員長は「3カ国の軍指導部はこの決定が国民に与える影響について理解しておらず、後先考えずに行動しようとしている」と非難した。

ニジェール軍政の報道官は7日、この問題をめぐりECOWASと協議する可能性を否定した。

マリ外務省も同様の見解を示し、「ECOWASは他国で散見される民主主義への攻撃を無視し、何の行動も起こさず、我々だけを非難している」と主張した。

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