西アフリカ開発銀行、地域経済が小幅に縮小すると予測 26年

ブルキナファソ、マリ、ニジェールでは2020年から23年にかけて軍事クーデターが相次ぎ、その後、ECOWASの軍事介入リスクを回避するため、昨年サヘル諸国連合(AES)という同盟を設立した。
アフリカ西部・ブルキナファソ、首都ワガドゥグ郊外の集落(Getty Images)

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)を構成する15カ国の経済成長率が24年の5.1%から今年5.0%に低下する見込みである。ECOWAS投資開発銀行(EBID)が15日、明らかにした。

EBIDは報告書の中で、トランプ米政権の関税措置および、3つの軍事国家による関税が15カ国の経済に影響を与えていると指摘した。

またEBIDは「この地域は予測よりもはるかに良い成績を収める可能性があると考えていたが、貿易戦争や3カ国の離脱が全体のGDPに与える影響は無視できない」とした。

ブルキナファソ、マリ、ニジェールでは2020年から23年にかけて軍事クーデターが相次ぎ、その後、ECOWASの軍事介入リスクを回避するため、昨年サヘル諸国連合(AES)という同盟を設立した。

AESはECOWAS加盟国から輸出される商品に関税をかけている。

EBIDはこれに対抗して報復関税を課せば、インフレが加速し、既に後退局面にある貿易がさらに縮小すると指摘している。

ブルキナ、マリ、ニジェールは10年以上にわたって国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。

この3カ国を含む広大なサヘル地域では多くの過激派が活動している。

3カ国の軍政は紆余曲折の末、AESを形成し、ロシアに急接近。今年1月末にECOWASから正式に脱退した。

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