国連リビア支援ミッション、首位トリポリでの緊張緩和呼びかけ

リビアは2011年の革命後、政治的な行き詰まりと争いにより東部と西部に分裂。2つの政府が発足した。混乱が収束する見通しは立っていない。
アフリカ北部・リビア、首都トリポリ、陸軍の兵士(Getty Images/AFP通信)

国連リビア支援ミッション(UNSMIL)は9日、首都トリポリ周辺で軍事的緊張の高まりが続いているとの報告を受け、全ての当事者に緊張の激化や新たな衝突を引き起こす可能性のある行動や政治的発言を避けるよう呼びかけた。

国連の承認を受けるドベイバ(Abdul Hamid Dbeibah)首相は5月、非正規武装集団と名付けた組織の解体を命じた。

トリポリではこの命令後、過去数年で最大規模の戦闘が勃発し、少なくとも8人の民間人が死亡した。

UNSMILはソーシャルメディアへの投稿で、「国連は緊張緩和に向けた努力を継続し、すべての当事者がこの目的のために誠意を持って協力するよう呼びかける。トリポリに最近展開された部隊は遅滞なく撤退しなければならない」と強調した。

リビアは2011年の革命後、政治的な行き詰まりと争いにより東部と西部に分裂。2つの政府が発足した。混乱が収束する見通しは立っていない。

ドベイバ氏はカダフィ(Muammar Gaddafi)大佐討伐後、国連の支援を受けることとなったが、2021年後半に予定されていた選挙を実施できず、国際社会を失望させた。

ドベイバ氏と対立する東部政府のバシャガ(Fathy Bashagha)首相はシルトに拠点を置き、21年3月頃から権力闘争を続けている。

UNSMILは5月の衝突後、暴力の激化に深刻な懸念を表明し、当事者に対し、民間人と公共の財産を保護するために適切な措置を講じるよう求めていた。

現地メディアによると、トリポリとその周辺ではドベイバ派の民兵と反体制派のにらみ合いが続いているという。

バシャガ政権は国内のほとんどの油田を支配下に置く軍閥トップの実力者である元国軍将校のハフタル(Khalifa Haftar)司令官と連携している。

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