◎国連の支援を受ける首都トリポリの政府は昨年末に予定していた大統領選を実施できず、国際社会を失望させた。
2022年2月12日/リビア、首都トリポリ、国軍の兵士(Nada Harib/ロイター通信)

リビア政府は12日、国連が主導する同国の政治的行き詰まりを解消する協議に復帰した。

国連の支援を受ける首都トリポリの政府は昨年末に予定していた大統領選を実施できず、国際社会を失望させた。

東部地域に拠点を置くもうひとつの政府はトリポリ政府を非難し、暫定首相に元内相のバシャガ(Fathy Bashagha)氏を起用。ドベイバ(Abdul Hamid Dbeibah)暫定首相に辞任を求めている。

地元メディアによると、トリポリの沿岸地域で10日に発生した戦闘の詳細は分かっていないが、死傷者は出ていないとみられる。

国連リビア担当のウィリアムス(Stephanie Williams)氏は12日、カイロ協議は6月19日まで続き、「国政選挙を実施するために必要な憲法の枠組みを確立することを目指す」とした。

「11年もの間、分裂、機能不全、紛争、混乱、二極化が続き、リビア国民は疲弊しています。リビア政府は国民に希望を与え、憲法の枠組みの中で選挙を行う責任を負っているのです」

当事者は過去2回の協議で憲法草案の「権利と自由を含む条項」に合意した。

ウィリアムス氏によると、当事者らは「立法と司法の権限」に関する条文について引き続き議論する予定だという。

憲法の枠組みをめぐる争いは、昨年末に予定されていた大統領選が失敗に終わった原因のひとつであった。この延期は10年にわたる内戦を終わらせようとする国際的な努力に大きな打撃を与えた。

一方、ドベイバ政権はトリポリの沿岸地域で10日に発生した衝突を調査すると発表した。

ウィリアムス氏はツイッターに、「いい加減にしろ!」と投稿し、戦闘を非難した。

米国の在リビア大使も戦闘に懸念を表明し、「リビア政府は代償を支払うことになる」と述べ、制裁を示唆した。

リビア東部と南部は元国軍将校の実力者であるハフタル(Khalifa Haftar)司令官の管理下に置かれている。ハフタル氏は東部政府と同盟を結んでいるが、ドベイバ政権は選挙で選出された者以外に権力を譲るつもりはないと述べている。

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