◎コンゴとルワンダの衝突は、コンゴ東部で活動する反政府勢力の暴力が増加する中で発生した。
2022年5月25日/コンゴ民主共和国、北キブ州郊外、コンゴ軍の戦車(Arlette Bashizi/AFP通信/Getty Images)

国連事務総長は11日、コンゴ民主共和国とルワンダ間の緊張が高まっていることに深刻な懸念を表明し、双方に越境攻撃を含むあらゆる暴力を停止するよう求めた。

コンゴとルワンダの衝突は、コンゴ東部で活動する反政府勢力「3月23日運動(M23)」の暴力が増加する中で発生した。

グテレス(Antonio Guterres)事務総長の報道官であるデュジャリック(Stephane Dujarric)氏は11日の声明で、「事務総長はコンゴの治安悪化に懸念を抱いている」と述べた。

またデュジャリック氏は、M23の市民に対する攻撃の増加と、コンゴ政府と敵対しているルワンダ解放民主軍(FDLR)の活動を非難した。「これらの組織はこの地域を不安定にしています...」

デュジャリック氏は、「事務総長はコンゴの主権、独立、統一、領土保全に対する強いコミットメントを支持し、代理人による攻撃を強く非難する」と強調した。

コンゴはルワンダ政府がM23と共に東部地域を攻撃し、鉱物資源などを奪おうとしていると主張している。

ルワンダ政府は関与を否定し、「越境攻撃を仕掛けてきたのはコンゴ軍」と反論している。

米国務省は11日、ツイッターを更新し、「コンゴとルワンダ間の越境攻撃で人命が失われたという報告を受け、憂慮している」と投稿した。

また米国務省は、「コンゴおよびルワンダ大統領の責任ある建設的なリーダーシップを期待する」と表明した。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡した。

ルワンダのフツ族は1994年のジェノサイドで少数民族ツチ族の住民数十万人を虐殺したと非難されている。フツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

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