▽エボラウイルスはリスクグループ4に該当するウイルスのひとつで、治療開始が遅れると致死率は90%に達する。
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アフリカ東部・ウガンダの保健当局は2日、首都カンパラでのエボラ出血熱の流行を食い止める努力の一環として、ワクチンの臨床試験を準備していると明らかにした。
カンパラでは1月29日、市内の国立病院の男性看護師がエボラウイルスに感染し死亡した。
ウガンダでエボラウイルスが確認されたのは2000年に初めて患者を報告して以来、9回目である。
カンパラのウイルス研究所は声明で、「エボラウイルス・スーダン株に対する2000回分以上のワクチンの配備計画について、様々な科学者が臨床試験プロトコルを開発している」と述べた。
男性は多臓器不全により、29日に息を引き取った。サンプルを確認したところ、エボラウイルスのスーダン株が検出された。
エボラウイルスはリスクグループ4に該当するウイルスのひとつで、治療開始が遅れると致死率は90%に達する。感染者の血液、臓器、体液に直接触れることで感染する。
前回ウガンダで流行したウイルスもスーダン株で、1976年にザイール(現コンゴ民主共和国)で初めて確認された株とは異なる。
スーダン株の感染力はザイール株に比べると弱く、死亡率も低いとされるが、感染を抑えにくいと懸念されている。
世界保健機関(WHO)は2日、ウガンダへの支援として、2160回分の治験用ワクチンを提供すると明らかにした。
それによると、調査チームを現地に派遣し、地元当局と協力して臨床試験を行うという。
WHOはワクチン候補について、臨床試験プロトコルによって有効性と安全性をさらに検証するとのこと。
ワクチンメーカーについては明らかにしていない。
ウガンダでは22年末にエボラウイルスが流行。143人が感染し、うち55人が死亡した。この流行は23年1月に終息が宣言された。
保健当局はWHOは前回流行時、▽米国の研究所が開発したワクチン▽英オックスフォード大学とワクチン研究機関が開発したワクチン▽国際エイズワクチン推進構想(IAVI)などが協力して開発したワクチンの臨床試験を行っている。