◎保守派はこのフェスを「セックス祭り」「同性愛の温床」などと呼んでいる。
ウガンダのメディアによると、政府から「不道徳」と呼ばれた電子音楽フェス「ニゲ・ニゲ(Nyege Nyege)フェスティバル」はかつてない盛り上がりを見せ、チケットはソールドアウトし、世界各地から数万人が参加したという。
このフェスは東アフリカで最も人気のあるイベントのひとつであり、「セックス、ドラッグ、LGBTQ+(性的少数者)」を促進すると一部の保守派から批判されている。
ウガンダの一部の国会議員は「不道徳すぎる」という理由でフェスを禁じると主張していたが、政府は今月7日、開催を許可した。
保守派はこのフェスを「セックス祭り」「同性愛の温床」などと呼んでいる。
ニゲ・ニゲはルガンダ語で「踊りたいという衝動に駆られる」という意味だが、ウガンダでは性的な意味合いで使われる。
フェスの開催期間は9月15~18日。主催団体によると、今年は約150人のパフォーマーが出演し、4日間の入場者数は数万人と見積もられている。
会場は首都カンパラ郊外の都市ジンジャ。昨年と一昨年はコロナの感染拡大で。2018年と2019年は「不道徳すぎる」という理由で中止を命じられた。
政府報道官は7日の記者会見で「フェスの主催者と面会し、開催条件を提示した」と説明していた。それによると、▽18歳以下は参加できず、▽わいせつな服の着用は認められない。
主催団体によると、政府の圧力がチケットの売り上げを後押しした可能性があるという。
16日のライブに参加した女性はAFP通信に、「過去最高の盛り上がり」と説明した。
別の男性は「5年ぶりのフェスです」と喜びを語った。「皆、ニゲニゲを待っていました。私たちはお酒を飲み、踊り、語り合っているだけですよ」
同性愛者だという女性は今回のフェスを「ジャングルワイルドファイアー」と評した。「むし暑いジャングルの中で踊り狂う。これがニゲニゲです!」
ウガンダの政治家全員がフェスに反対していたわけではない。カダガ(Rebecca Kadaga)副首相はフェスに参加し、踊った。
観光省は「フェスを禁じれば1万人近い外国人観光客を失うことになる」と警告していた。
警察は▽乱交パーティー▽ヌード▽下品な言葉▽卑猥な表現やジェスチャーが使われていないか確認したとみられる。
地元メディアの取材に応じたある男性は、「フェス内で乱交やセックスを見たことは一度もない」と語った。「教会はLGBTが参加しているから乱交が行われていると勝手に思い込んでいるのです」
報道によると外国人観光客8000~1万人程度が参加したとみられる。その多くがウガンダに数日間滞在すると期待されている。
ある英国人男性はAFP通信の取材に対し、「フェスが圧力を受けているという報道を見て、このフェスの存在を知り、参加を決めた」と語った。