◎ウガンダでは同性愛嫌悪が蔓延している。
2017年9月5日/ウガンダで開催されたニゲ・ニゲフェスティバル(Ian Duncan Kacungira/AFP通信/Getty Images)

ウガンダ政府は6日、数万人が参加する電子音楽フェス「ニゲ・ニゲ(Nyege Nyege)フェスティバル2022」の開催を許可しないと発表した。

このフェスは2018年と2019年にも中止を命じられ、昨年と一昨年はコロナの感染拡大で中止を余儀なくされたが、今年は首都カンパラ郊外の都市ジンジャで5年ぶりに開催される予定であった。期間は9月15日~19日。

しかし、政府は公式ツイッターに「ニゲ・ニゲ主催者に禁止を命じた」と投稿。セックス、ドラッグ、LGBTQ+(性的少数者)を連想させる「破廉恥」なフェスティバルを許可することはできないと主張した。

政府報道官は6日の記者会見で、「このフェスは不道徳を助長するものであり、我が国に必要ない」と語った。

しかし、観光省は中止命令に懸念を表明している。同省の報道官はAFP通信の取材に対し、「数万人が参加するイベントを中止すれば、観光業界は大打撃を受けるだろう」と説明した。

観光省によると、外国人観光客8000人以上がこのフェスのチケットを購入し、その多くがフェスの期間中はもちろん、フェス終了後もウガンダに滞在する予定だという。

ニゲ・ニゲフェスは5年前、ウガンダ・カトリック教会関係者の圧力で中止に追い込まれた。教会はこのフェスを「悪魔崇拝、破廉恥、倫理観喪失」などと非難している。

ニゲ・ニゲはルガンダ語で「踊りたいという衝動に駆られる」という意味だが、ウガンダでは性的な意味合いで使われる。

同国では同性愛嫌悪が蔓延している。同性愛はイギリス植民地時代に制定された法律で厳しく罰せられ、最高で終身刑に処される可能性がある。

特に敬虔な福音派はLGBTQ+を糾弾し、嫌がらせや脅迫が日常茶飯事になっている。

ウガンダ政府は2013年末、「同性愛の促進を罰する」法律を制定し、同性愛者へのヘイトクライムを合法化した。

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