◎エボラウイルスはリスクグループ4に該当するウイルスのひとつで、治療開始が遅れると致死率は90%に達する。
2022年9月24日/ウガンダ、中部ムベンデ県、民家を消毒する国境なき医師団の職員(Badru Katumba/AFP通信/Getty Images)

ウガンダ政府は16日、エボラ出血熱の患者が確認されている2地域を3週間封鎖すると発表した。

対象地域は中部ムベンデ県とカサンダ県。

カサンダ県のバー、ナイトクラブ、礼拝所、娯楽施設は閉鎖され、夜間外出禁止令も発令されている。

ムセベニ(Yoweri Museveni)大統領は以前、ロックダウンは考えていないと表明していたが、考えを改めたようだ。

政府は先月、ムベンデ県で男性1人がエボラ出血熱で死亡したと発表。2019年以来の死者を報告した。当局によると、この男性(24歳)のサンプルを調査した結果、スーダン株であることが確認された。

スーダン株がウガンダで確認されたのは4回目。スーダンでは3回流行している。

スーダン株の感染力はザイール(現在のコンゴ民主共和国)株に比べると弱く、死亡率も低いとされる。

ザイール株対応のワクチンは開発されているが、スーダン株は未開発である。

世界保健機関(WHO)は先週、「感染が確定した患者63人、死者29人」と報告した。しかし、実際の感染者と死者数はこれより多いと考えられている。

地元メディアによると、感染者が最も多いのはムベンデ県。

ムセベニ氏は以前の声明で、「エボラは空気感染するウイルスではないため、コロナのような対策は必要ない」とし、封鎖を否定していた。

しかし、ムセベニ氏は16日、2県への出入りを21日間禁止すると発表した。

貨物車は往来を許可されるが、それ以外の車両はやむを得ない事情がない限り、立ち入りできない。徒歩での往来も原則禁止である。

ムセベニ氏は国営テレビの演説で「封鎖はエボラの蔓延を抑える一時的な措置である」と語った。

報道によると、ムセベニ氏はエボラ感染が「疑われる」個人の強制隔離を命じたという。拒めば逮捕されるようだ。

またムセベニ氏は伝統医学によるエボラ患者の治療も禁じた。報道によると、感染者が確認された地域では薬草などを使用するセラピストが患者の治療にあたっていたという。

ムベンデ県で最初に死亡が確認された24歳の男性もセラピストの治療を受けていたと伝えられている。この男性の家族6人もエボラに感染し、死亡した。

エボラは首都カンパラに達し、これまでに男性1人の死亡が確認されている。保健当局によると、この男性はムベンデ県からカンパラに入り、体調を崩したという。

エボラはリスクグループ4に該当するウイルスのひとつで、治療開始が遅れると致死率は90%に達する。感染者の血液、臓器、体液に直接触れることで感染する。潜伏期間は2日~3週間。

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