◎ウガンダで現在流行しているエボラウイルスはスーダン株と呼ばれ、ワクチンは開発されていない。
2022年12月22日/ウガンダ、首都カンパラのワクチン接種センター(Getty Images/AFP通信)

ウガンダ政府は22日、エボラ出血熱の新たな臨床試験用ワクチンが到着したことを受け、保健省の方針を一部変更すると発表した。

アセン(Jane Ruth Aceng)保健相は記者会見で、「世界保健機関(WHO)などの助言に基づき、濃厚接触者に臨床試験用ワクチンを接種するという方針を見直す」と説明した。

アセン氏によると、接種対象を拡大し、臨床試験への参加を希望するボランティアへの接種を優先するという。

WHOの現地代表は、「ウガンダの保健当局はスーダン株用のエボラワクチン臨床試験および開発を加速させることができる」と述べた。

エボラはリスクグループ4に該当するウイルスのひとつで、治療開始が遅れると致死率は90%に達する。感染者の血液、臓器、体液に直接触れることで感染する。

このウイルスは1976年にザイール(コンゴ民主共和国)で初めて確認され、急速に拡大。これまでに死亡した人は1万5000~1万6000人と推定されている。

ウガンダで現在流行しているウイルスはスーダン株と呼ばれ、ワクチンは開発されていない。

スーダン株の感染力はザイール株に比べると弱く、死亡率も低いとされるが、感染を抑えにくいと懸念されている。

アセン氏は記者団に対し、「ウガンダ以外の国でスーダン株が流行することを想定し、ワクチン開発を推し進めることが重要だ」と語った。「今、ワクチンを開発しておけば、次の感染拡大に備えることができます...」

政府は先週、流行の震源地になった中部ムベンデ県とカサンダ県の封鎖を解除した。

保健当局はWHOなどと協力して▽米国の研究所が開発したワクチン▽英オックスフォード大学とワクチン研究機関が開発したワクチン▽国際エイズワクチン推進構想(IAVI)などが協力して開発したワクチンの臨床試験準備を進めている。

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