◎反ポルノ法は「反ミニスカート法」と呼ばれていた。
2014年/ウガンダ、反ポルノ法(通称 反ミニスカート法)に反対する抗議者たち(Getty Images/AFP通信)

ウガンダの憲法裁判所は16日、2014年に施行された反ポルノ法を違憲と認め、無効にした。

政府は当時、「女性と子供を保護するために反ポルノ法を導入する」と主張した。法律に違反した者は10年以下の懲役を科される可能性がある。

しかし、法律は性行為を収めた作品だけでなく、性的興奮を誘発する歌詞やミュージックビデオもポルノに分類したため、ミュージシャンが逮捕される事態に発展した。

さらに一部の抗議団体は、ミニスカートなどの特定の服を着用した女性が暴力にさらされたと主張し、反ポルノ法は「反ミニスカート法」と呼ばれ、多くの女性が抗議デモに参加した。

憲法裁判所の判事5人で構成される委員会は、(ポルノ映像の中で使用される)下品な衣服の禁止を含む反ポルノ法は違憲と裁定し、「性的興奮を誘発する行為または資料(映像や写真)の禁止が解除されたとしても、害は発生しない」と指摘した。

法律施行後、ミニスカートを着用した女性に対する嫌がらせや暴力事件が複数発生し、首都カンパラで大規模な抗議デモが行われた。

女性の権利を推進する団体や人権弁護士は政府に反ポルノ法の見なしを求め、その後憲法裁判所に法律の停止を要求する請願書を提出した。

ウガンダ女性ネットワークは当時、「反ポルノ法は男女の平等を保障する憲法に違反している」と述べ、政府を厳しく非難した。

ウガンダで活動する女性ミュージシャンのジェマイマ・カンシメ氏は2015年、性的興奮を誘発する歌とミュージックビデオを公開し、起訴された。

地元メディアによると、憲法裁判所の裁定に伴い、カンシメ氏の裁判も一時的に停止されたという。

英BBCニュースは、反ポルノ法の法制化作業を行った委員会はまもなく解散する予定と報じた。

政府は憲法裁判所の裁定に関するコメントをまだ発表していない。

保守的なウガンダ政府は卑猥な写真や映像を嫌悪しており、2018年にはヌード写真を公開した女性モデルが逮捕された。

1986年に権力を掌握した現職のヨウェリ・ムセベニ大統領(元将軍)は2014年2月に反同性愛法案に署名し、その翌日、地元のタブロイド紙であるレッド・ペッパーは同性愛者とされる男性200人の氏名を公開した。

反同性愛法は西側諸国の怒りにふれ、スウェーデン、オランダ、そしてアメリカはウガンダへの援助を停止した。

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