◎エジプトは通貨安の影響で輸入食品の支払い(ドル建て)と外貨不足に苦しんでいる。
エジプト、ラクダとピラミッド(Getty Images)

アラブ首長国連邦(UAE)とエジプトの中央銀行が28日、通貨スワップ協定に署名した。

両行の共同声明によると、この協定により、両行は最大50億UAEディルハムと420億エジプト・ポンドを交換できるようになるという。

通貨スワップ協定は各国の中央銀行が互いに協定を結び、自国の通貨危機の際、自国通貨の預入や債券の担保などと引き換えに一定のレートで協定相手国の通貨を融通しあうことを定める協定である。

エジプトは通貨安の影響で輸入食品の支払い(ドル建て)と外貨不足に苦しんでいる。エジプト・ポンドはロシアによるウクライナ侵攻後、急落。この2年でその価値の50%以上を失った。

エジプトは世界最大の穀物輸入国であり、その大半をロシアとウクライナから輸入していた。

同国の先月の消費者物価指数(CPI)は前年同月から39.7%上昇し、過去最高を更新した。

専門家は今回の通貨スワップ協定について、「UAEがエジプトに金融支援を提供していることは明らか」と指摘している。エジプト中銀は自国通貨を買い支えるためにより多くの外貨を必要としている。

UAEをはじめとする湾岸諸国は2013年にシシ政権が誕生して以来、エジプトの主要な支援者となってきた。

湾岸諸国はこの10年で1000億ドル以上の資金をエジプトに融通したと推定されている。

両行の総裁は協定の詳細をほとんど明らかにしなかった。

スポンサーリンク