◎両国の代表はイスタンブールの式典で協定に署名した。
ソマリランド、中心都市ハルゲイサの通り(Getty Images)

トルコとソマリアは7日、石油・ガス協力協定に署名した。

この協定の背景にはソマリアとソマリランドの対立がある。ソマリア政府は先月、トルコと防衛協定を結んだ。

両国の代表はイスタンブールの式典で協定に署名した。

トルコ政府によると、この協定にはソマリアの陸上・海上における石油の探査、開発、生産が含まれているという。

大統領府の報道官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「ソマリア政府との連携強化により、東アフリカにおけるトルコの存在感はさらに増すことになる」と書き込んだ。

ソマリアのバレ(Hamza Abdi Barre)首相はこの協定を称賛。「トルコ政府との協力関係を強化するものだ」と述べた。

トルコはソマリアの重要な同盟国であり、インド洋と紅海への通り道であるアデン湾に面したソマリアで影響力を高めている。

2月8日に締結された防衛協定により、NATO加盟国のトルコはソマリア海軍に訓練と装備を提供。テロや海賊行為、「外国の干渉」といった脅威から領海をより安全に守ることができるようにする。

ソマリアによれば、この防衛協定は10年間有効であり、ソマリランドを経由して海へのアクセスを確保しようとするエチオピアの「占領」を抑止することを目的としている。

エチオピアとソマリランドの首脳は今年初め、ソマリランド領内におけるエチオピアの海岸利用を許可する覚書に署名。これにより、世界で最も人口の多い内陸国であるエチオピアはソマリランドの海岸線に海軍基地を建設できるようになった。

ソマリランド(旧イギリス領)は1991年にソマリア(旧イタリア領)から独立。国連は同国の独立を承認していないが、台湾は2020年に外交関係を結び、米国を含む10カ国が首都ハルゲイサに駐在員事務所、ケニアとエチオピアは外交使節団の公館を設置している。

ソマリアはソマリランドを自国の領土の一部とみなしている。

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