◎首都チュニスに本拠を置くジトウナTV(ZITOUNA TV)の司会者アメル・アヤダ氏は、国家の安全を損なった罪で逮捕された。
2021年10月6日/チュニジア、首都チュニスにあるZITOUNA TVの事務所(Getty Images/AFP通信)

10月6日、チュニジアの現地メディアによると、政府当局はテレビ放送の中で反独裁の詩を紹介した司会者を逮捕し、テレビ局を閉鎖したという。

首都チュニスに本拠を置くジトウナTV(ZITOUNA TV)の司会者アメル・アヤダ氏は、国家の安全を損なった罪で逮捕された。

ジトウナTVはカイス・サイード大統領の首相追放と議会の停止、そして権力の独占を批判的に報じていた。

当局は声明で、「ジトウナTVは放送法に違反する番組を放送し、国家の安全保障に深刻な影響を与えた」と述べた。

現地メディアによると、アヤダ氏は3日の放送の中でイラクの詩人アーメダ・マタル氏の詩を読み上げていたという。マタル氏は中東地域の独裁者を批判する風刺的な詩で人気を集めている。

ジトウナTVは6日、フェイスブックに「治安部隊は局を襲撃し、スタジオの機器を破壊した」と投稿した。

サイード大統領は今年7月、政府のコロナ対策と経済政策の失敗を非難し、ヒシェム・メチチ首相の解任と議会の停止に踏み切った。政府の政策に反対する人々はサイード大統領を称賛したが、与党ナフダ党を含む多くの議員が大統領の動きをクーデターと呼び、厳しく非難した。

当局はサイード大統領の行動に批判的なジャーナリストや野党議員を次々と逮捕し、物議を醸している。

チュニジアの通信事業を統括するノウリ・ラジミ氏はAFP通信の取材に対し、「ジトウナTVは何年もの間、放送法に違反していました」と語った。

ジトウナTVは2012年に放送を開始した。チュニジアの元独裁者ザイン・エル・アビディン・ベン・アリは2010年末に始まったジャスミン革命で打倒され、その混乱はアラブ世界全体に広がった。

現地メディアによると、ジトウナTVは2015年にも政府当局の取り締まりを受けたが、活動を継続したという。当局がその後の活動を許可したかどうかは不明。

野党と一部の国民は報道の自由を保障しないサイード大統領を厳しく批判している。

当局は今年7月、首都チュニスに支部を置くカタールの放送大手アルジャジーラの事務所を襲撃し、閉鎖に追い込んだ。

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