◎サイード大統領の強権的なやり方に反対する野党や活動家は抗議デモを続けている。
2021年12月8日/チュニジア、首都チュニス、カイス・サイード大統領(Getty Images/AFP通信)

チュニジアサイード(Kais Saied)大統領は26日、新憲法の是非を問う国民投票を7月25日に行うと発表した。

地元メディアによると、国民投票の日程は官報に掲載された大統領令「チュニジア共和国の新憲法草案の是非を問う国民投票の実施」で正式決定した。

サイード氏は昨年7月、政府のコロナ対策と経済政策の失敗を非難し、当時の首相を解任したうえで議会を一時的に停止し、自分の権限を強化した。サイード氏の強権的なやり方に反対する野党と活動家はこの措置をクーデターと非難し、各地で抗議デモを続けている。

サイード氏は3月に議会を解体している。議会選は12月に行われる予定だ。

サイード氏は26日、新憲法を起草する「国民対話」の責任者に著名な弁護士であるベライド(Sadok Belaïd)氏を指名した。

国民対話に招待された同国最大の労働組合UGTT(チュニジア一般労働組合)は参加を拒否し、全国規模のストライキでこれに抗議するとしている。

UGTTは23日の声明で、「サイード氏が提案した対話は、事前に決められた新憲法を確認するものに過ぎず、参加すればそれに賛成したとみなされる」と述べている。

UGTTは23日からストライキを開始したが、国民の大多数は食料や燃料価格の高騰に拍車がかかると懸念している。

サイード氏の方針に反対する野党や活動家は抗議デモを続けているものの、多くの国民が汚職の撲滅を約束し、利権に興味を示さないリベラル派のサイード氏を支持しているように見える。

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