◎チュニジアの人口の4割に相当する約400万人が貧困ライン以下での生活を余儀なくされている。
2017年6月15日/チュニジア沖、亡命希望者たち(Getty Images)

チュニジアの人権NGOは24日、今年1月以降、2000人以上のチュニジア人未成年者がイタリアに不法入国したと報告した。

チュニジア経済社会権フォーラム(FTDES)は声明で、「今年チュニジアからイタリアの海岸に到着できた亡命希望者は1万139人確認されている」と述べた。そのうち498人は女性、2000人以上が未成年だった。

一方、地中海で沿岸警備隊に発見されチュニジアに送り返された人々は1万4000人を超え、少なくとも443人が溺死し、数千人が行方不明になったと推定されている。

今月14日、失業した教師とその4歳の息子がチュニジア北東部の海岸からシチリア島に向けボートで出発、行方不明になった事故はチュニジア国民に衝撃を与えた。警備隊は2人の遺体を今週発見した。

FTDESは絶望、公共サービスの低下、将来を見通せない国での生活が人々の背中を押し、危険な地中海の旅の増加につながっていると警告した。

またFTDESは難民の権利を尊重しないEUの非人道的な政策を非難した。

国連によると、チュニジアの人口の4割に相当する約400万人が貧困ライン以下での生活を余儀なくされている。

チュニジア内務省は先週末、北東部の沖合いで1週間に101人を救助したと報告した。2週間前には数百人のチュニジア人を含む650人以上が救助されている。

チュニジアとリビアの地中海亡命ルートは海水温が高く、波が比較的穏やかなこの時期、増加する傾向にある。

チュニジア北東部の海岸からイタリアのシチリア島までは200kmほどしか離れておらず、北アフリカの主要な亡命ルートのひとつになっている。

EUの国境沿岸警備機関FRONTEXによると、今年1月から7月にかけて地中海ルートを使った亡命希望者は確認できているだけで4万2500人以上に達し、昨年同期間から44%増加したという。

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