◎ボートはリビア北部から欧州に向かう途中、荒波に飲まれ転覆した。
2022年5月25日/チュニジア沖、救助隊のボートに乗り込む亡命希望者たち(Valeria Ferraro/AP通信)

国際移住機関(IOM)は25日、チュニジア沖で亡命希望者を乗せたボートが転覆し、1人が死亡、数十人が行方不明と報告した。

現地メディアによると、このボートはリビア北部から欧州に向かう途中、荒波に飲まれ転覆したという。

IOMはチュニジア南東部の沖合で少なくとも30人が救助され、75人の行方が分からないと報告している。

IOMの報道官はAP通信の取材に対し、「救助された人々は18歳~40歳ぐらいで、バングラデシュ人、エジプト人、モロッコ人、カメルーン人などで構成されていた」と明らかにした。

報道官によると、ボートに乗っていた人の数は把握できておらず、行方不明者はさらに増える可能性があるという。

行方不明者の捜索にはチュニジア海軍だけでなく、アフリカで活動しているスペインのNGO「プロアクティバ・オープン・アームズ(Proactiva Open Arms)」も参加している。POAの救助船は24日遅くの救助作業を主導した。

ボートは22日遅くにリビア北部から出発したと伝えられている。チュニジア国家警察によると、ボートは沖合10kmの地点で転覆し、正確な転覆時間は分からないという。

リビア北部は欧州を目指す亡命希望者の拠点になっている。昨年7月には移民120人以上を乗せたボートがチュニジアの港近くで転覆し、43人が行方不明になった。

POAが撮影した写真やビデオには、救命胴衣を着た人々がボートにしがみつき、ひっくり返りそうになる様子が映っていた。

POAの報道官によると、同団体は24日遅くに移民を乗せたボートが転覆した可能性があるという通報を受け、約4時間後に現場に到着したという。「対応チームは100人以上を乗せた木造船を発見し、110人を救助することに成功しました。木造船は超過密状態で、救助活動中に沈没しました」

チュニジア海軍は救助作業に関する声明を出していない。

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