◎サイード政権は物議を醸している通称「反偽ニュース法」で政府に批判的なジャーナリスト、野党政治家、その他反体制派を逮捕してきた。
チュニジア、首都チュニス、サイード大統領に抗議するデモ(Getty Images/AFP通信)

チュニジア・チュニスの地方裁判所は22日、テレビ番組やソーシャルメディアで政府を批判したジャーナリスト2人に禁固1年の実刑判決を言い渡した。

報道によると、2人はフェイスニュースを拡散した罪で禁固6カ月、サイード(Kaïs Saied)大統領を誹謗中傷した罪で禁固6カ月を言い渡されたという。

2人は公共の安全や国防を害することを目的とした偽情報の拡散を禁じる刑法に基づいて逮捕・起訴された。

これはサイバー犯罪を取り締まる目的で2022年に可決された法律のひとつであり、犯罪の定義が曖昧で、サイード氏をSNSで批判したジャーナリストや活動家が逮捕される事態となっている。

2人は容疑を否認し、2011年のジャスミン革命後に制定された表現の自由を守る法律に言及。「サイード氏の政策を公の場で批判しただけ」と主張した。

2人の弁護士は記者団に対し、「チュニジアの政治・経済情勢を分析し、コメントするという仕事をテレビでしただけだ」と述べ、控訴する意向を示した。

著名な反体制派である女性弁護士のソニア(Sonia Dahmani)氏は今月中頃、地元テレビ局のインタビューでサイード氏を皮肉ったとして、偽情報を拡散した罪と公序良俗を乱した罪で逮捕された。

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