◎チュニジアの海岸とイタリアのランペドゥーサ島は150kmほどしか離れておらず、移民のホットスポットになっている。
2022年8月8日/チュニジア沖で保護された亡命希望者たち(Getty Images/AFP通信)

チュニジアの沿岸警備隊は29日、同国中北部の海岸に移民210人の遺体が打ち上げられたと発表した。

警備隊の広報担当は声明で、「この2週間でサハラ砂漠以南の出身者とみられる210人の遺体を収容した」と述べている。

それによると、遺体は4月18~27日の間に3つの地域で収容されたという。その大半が首都チュニスの南方約300kmに位置するスファックスの海岸で見つかった。

警備隊は声明の中で、「この3地域はイタリア南部の離島ランペドゥーザ島を含むイタリア沿岸への亡命を試みる人々の出発点になっている」と説明した。

地元メディアによると、スファックス市内の病院は収容能力をはるかに超える遺体が運び込まれたことで、対応に苦慮しているという。

遺体の身元確認はほとんど進んでいないようだ。一部の地元メディアは関係者の話しとして、「210人の中には中東とアジアの移民とみられる人々も含まれる」と報じた。

国際移住機関(IOM)によると、欧州への亡命を目指す移民は増加傾向にあり、昨年は確認できているだけで19万人近くに達した。これは2015~16年のシリア難民危機に次ぐ多さである。

2015年はシリア人を中心に100万人以上が、2016年には40万人近くが欧州に入った。

チュニジアの海岸とイタリアのランペドゥーサ島は150kmほどしか離れておらず、移民のホットスポットになっている。

アフリカの紛争地域から逃れた多くの移民が北部のチュニジアやリビアから頼りないボートに乗り込み、イタリアやギリシャへの入国を試みている。

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