◎スエズ運河は1869年に開通し、世界の石油、天然ガス、貨物輸送に欠かせない航路のひとつになった。
2021年3月26日/エジプト、スエズ運河の衛星写真(©MaxarTechnologies)

エジプトのスエズ運河庁は1日、液化天然ガス(LNG)を輸送していたタンカーがスエズ運河内で故障したものの、他の船舶の航行に支障は出なかったと報告した。

同庁の報道官はAP通信の取材に対し、「バハマ船籍のタンカー、グレース・エミリア(Grace Emilia)号が運河内で故障したため、タグボートを使って運河の脇に寄せた」と語った。

報道官によると、このタンカーは北行きルート内で故障したという。しかし、故障後もルートは維持され、他の船舶の航行に影響は出なかったようだ。

報道官は「タグボートは故障したタンカーをグレートビター湖(運河の一部を形成する湖)に牽引している」と述べた。

グレース・エミリア号は2021年建造。全長は297m、幅46m、貨物タンクの容量は17万4000立法メートル。

スエズ運河庁によると、グレース・エミリア号はインドから米メリーランド州に向かう途中、トラブルに見舞われたという。故障の詳細は明らかにされていない。

スエズ運河では先月にもトウモロコシを積んだ貨物船が座礁している。この時も運河の航行に影響はでなかった。

2021年3月に発生した座礁事故は世界の海運に大きな影響を与えた。

スエズ運河は1869年に開通し、世界の石油、天然ガス、貨物輸送に欠かせない航路のひとつになった。

世界貿易の約10%がこの運河を経由し、エジプト政府にとって重要な外貨獲得源となっている。

スエズ運河庁によると、昨年通貨した船舶は2万3851隻。2021年の2万649隻から大幅に増加し、運河の年間収入も過去最高の80億ドルに達した

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