スーダン準軍事組織RSFの攻撃で4人死亡 北コルドファン州

軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
アフリカ北東部・スーダン、陸軍の兵士(Getty Images)

アフリカ北東部・スーダンの北コルドファン州で軍隊と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘が激化し、少なくとも4人が死亡した。医療当局者が11日、明らかにした。

それによると、RSFは10日夜、北コルドファン州の州都オベイドの住宅街を砲撃し、多くの民間人が死傷。少なくとも4人が死亡したという。

人権団体「スーダン医師中央委員会」は声明で、「この砲撃は女性と高齢者らを標的とするものだった」と非難した。

また同委員会は「RSFは北コルドファン州で民間人を標的とし、軍を攻撃するという名目で意図的に死傷者を出している。これらの地域は、RSFの支配下にある地域から避難した市民や避難民が集まっている」と明らかにした。

国連の専門機関である国際移住機関(IOM)の最新の報告によると、北コルドファン州での戦闘により、7月4~9日までの間に約700世帯が避難を余儀なくされたという。

軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。

正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14か月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。

国連児童機関(ユニセフ)は10日、25年1月から5月の間にダルフール全域で栄養不良と診断された子供の数が前年同期比で46%増加したと発表した。

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