◎2019年4月6日は政府庁舎前で当時の独裁者アル=バシールの退陣を求める座り込みが始まった日である。
スーダンのデモ隊は6日、独裁者オマル・アル=バシールの追放につながった2019年の記念日に合わせて反政府デモを実施し、軍民合同政府の解体を呼びかけた。
首都ハルツームでは数千人が行進し、タイヤに火をつけ、昨年10月のクーデターの首謀者であるアブデル・ファッタ・バーハン将軍を追放し文民統制を確立するよう訴えた。
国軍は昨年10月末にハムドゥーク首相(当時)と政府高官を拘束し、軍民合同政府「ソブリン評議会」を解散させ、紆余曲折の末、新たな協定に基づく新政府「主権評議会」を発足させた。
しかし、協定の内容は一切明らかにされておらず、民主主義を求める団体や野党勢力は軍の権力が強化された可能性に懸念を表明し、各地で抗議デモを続けている。
政府官邸周辺の警備は強化され、以前のデモでは抗議者と警察が正面衝突した。
アフリカニュースによると、東部の港湾都市ポートスーダンや西部のダルフール地方などでも行進と集会が開催されたという。ソーシャルメディアには若者がタイヤに火をつけ、道路を封鎖する動画が複数共有されている。
軍と民間の代表は2019年の無血クーデターで独裁者のアル=バシールを追放し、スーダンを民主主義に導くためにソブリン評議会を創設したが、昨年9月にアル=バシールの支持者がクーデター未遂事件を起こし、以来、軍事政権を復活させるという機運が高まっていた。
無血クーデターを主導したスーダン医師会によると、昨年10月以来、デモに参加した市民90人以上が殺害され、数千人が負傷した。
欧米政府と国際金融機関はバーハン将軍らに圧力をかけるために支援を停止している。
国連スーダン特使は先月、「国際社会が支援と対応を怠れば、スーダンの経済と治安は崩壊する」と警告した。
6日のデモ行進はスーダン専門家協会(通称抵抗委員会)などの呼びかけで行われた。
これらの団体はアル=バシールの追放に尽力し、現在進行中の反クーデターデモでも陣頭指揮をとっている。団体は完全な文民政府への即時移行、バーハン将軍の解任、デモ隊の虐殺に関与したバーハン将軍を含む高官および治安当局者の逮捕と公正な裁判を求めている。
米国務省のプライス報道官は5日、スーダンの指導者に対し、平和的な抗議活動を継続させるよう強く促した。
バイデン政権は先月、デモ隊に暴力を行使したとして、中央予備警察に制裁を科した。
4月6日は政府庁舎前でアル=バシールの退陣を求める座り込みが始まった日である。
また、1985年4月6日の無血クーデターで独裁者のモハメド・アン=ヌメイリを追放してから37年目にもあたる。当時、軍は選挙で選ばれた指導者に権力を譲った。