◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による紛争は開戦から半年を迎えた。
2023年5月16日/南スーダン、隣国スーダンの国境近くにある難民キャンプ(Sam Mednick/AP通信)

国連人道問題調整事務所(OCHA)のグリフィス(Martin Griffiths)事務次長(人道問題担当)は15日、内戦下のスーダンの現状について、「近年最悪の人道危機を引き起こしている」と警告した。

軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による紛争は開戦から半年を迎えた。

双方は4月中旬から首都ハルツームなどの支配権を争っている。サウジアラビアと米国が仲介した停戦合意は6月に失効し、多くの地域で戦闘が激化した。

ハルツームと姉妹都市オムドゥルマンでは広い範囲で市街戦が展開されているものとみられる。地元の活動家などによると、RSFは民家を徴用し、国軍に待ち伏せ攻撃を仕掛けているという。

グリフィス氏は声明でスーダンの現状を「悪夢」と評し、「レイプや性的虐待を含む恐ろしい犯罪が後を絶たない」と述べた。

またグリフィス氏は「一連の戦闘が最大9000人が死亡し、数百万人が避難を余儀なくされた」と指摘。国際社会に対し、紛争当事者に停戦を強く働きかけるよう訴えた。

戦闘はハルツームから西部ダルフール地方を含む全国に拡大した。

国際移住機関(IOM)によると、国内の安全な地域に退避した市民は推定450万人。近隣諸国に避難した市民は120万人を超えたという。

同国の人口の半数以上、推定2500万人が人道支援に頼って生活している。

さらに、南コルドファン州などではコレラ患者が1000人以上確認され、ハルツームなどの都市部に広がるという懸念が高まっている。

軍政は都市部に潜伏するRSFの戦闘員に向けて砲弾やミサイルを撃ち込み、多くの民間人が巻き込まれた。

ハルツームとダルフールでは性的虐待やレイプも報告されており、その多くにRSFが関与しているとみられる。

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