◎ダルフールでは土地と水をめぐる部族間の抗争が相次ぎ、この1年で1000人近くが戦闘中に死亡したと推定されている。
スーダン当局は13日、西部ダルフール地方で発生した部族間抗争により、少なくとも24人が死亡し、民間人数万人が避難を余儀なくされていると明らかにした。
西ダルフール州の議会議員はAFP通信の取材に対し、「8日以降の戦闘で死亡した戦闘員は少なくとも24人に達し、多くの民家が焼失した」と語った。
州政府は10日に非常事態を宣言し、夜間外出禁止令を発出した。期間は1カ月、対象は州全域としている。
AFPによると、軍政の取り締まりで治安はある程度回復したが、一部地域では混乱が続いているという。
国連はこの戦闘により約4000世帯、2万人が避難を余儀なくされたと報告している。
ダルフールでは土地と水をめぐる部族間の抗争が相次ぎ、この1年で1000人近くが戦闘中に死亡したと推定されている。
2019年に失脚した独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)はアラブ系部族を武装化し、ジャンジャウィードと呼ばれるアラブ系武装民兵をこの地域に送り込んだと告発されているが、バシルはこの告発を否定している。
国連はこの紛争でアラブ系とアフリカ系部族、最大30万人が死亡し、270万人が故郷を追われたと推定している。
一方、ブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍率いる軍政は今週、ダルフール地方に新たな州を創設する計画を発表した。
専門家は2021年10月の軍事クーデター後の混乱と政治・治安の空白がダルフール紛争に拍車をかけたと指摘している。
国際社会はスーダンの民政復帰とダルフール紛争終結に向けた働きかけを強めているが、問題が解決する目途は全く立っていない。