◎スーダンの軍事政権はダルフール地方の取り締まりを強化している。
スーダンで活動するダルフール難民・避難民総合調整局は24日、ダルフール地方でアラブと非アラブの部族が衝突し、少なくとも168人が死亡したと明らかにした。
ダルフール難民調整局の報道官によると、衝突は西ダルフール州で発生し、これまでに168人の死亡を確認、98人が重軽傷を負ったという。
また同州の州都ジェネイナの近くでは21日にも暴力が発生し、少なくとも2人が何者かに殺害されたと伝えられている。
報道官によると、旧スーダン政府の支援を受けていたとされる武装勢力「ジャンジャウィード」は24日未明に重火器でこの地域への攻撃を開始し、周辺の家屋を焼き払い、略奪したという。
暴力は州都ジェネイナにも広がり、ジャンジャウィードは市内の医療機関で治療を受けていた負傷者を殺害したとされる。
報道官はAP通信の取材に対し、「武装勢力の戦闘員は医療機関を襲い、医師に銃を向け、治療を受けていた負傷者に襲いかかった」と説明した。
スーダンの軍事政権は21日の暴力以来、この地域の取り締まりを強化している。
ダルフール地方ではこの数カ月、部族間の衝突が相次いでいる。スーダンの治安は昨年10月の軍事クーデター以来、悪化し続けている。
スーダンを30年にわたった支配した独裁者のオマル・バシルは2019年の無血クーデターで追放され、その後、数カ月にわたる抗議デモを主導した市民グループは軍当局と軍民合同政府「ソブリン評議会」を発足させた。
スーダンは民主化への道を歩み始めたと思われたが、軍を率いるブルハン将軍はソブリン評議会の民主指導者を一度追放し、新たな協定を結ばせ、新政府「主権評議会」を発足させた。
この協定の内容は公表されておらず、民主主義を求める人々は軍の権限が強化された可能性を指摘し、各地で抗議デモを続けている。