◎ダルフール地方ではアラブ系とアフリカ系部族の土地をめぐる争いが常態化している。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は13日、スーダン西部ダルフール地方で新たな部族間衝突が発生し、少なくとも100人が死亡したと発表した。
UNHCRのハーワード(Toby Harward)氏は声明の中で、「西ダルフール州の集落ではこの1週間戦闘が続き、数千人が避難を余儀なくされ、少なくとも100人が死亡した」と説明している。
ダルフール地方ではアラブ系とアフリカ系部族の土地をめぐる争いが常態化している。
戦闘が発生した地域の酋長によると、民兵は20以上の村に火を放ち、少なくとも62人の焼死体を確認したという。地元の人道機関は多くの村人が行方不明と報告している。
西ダルフールのスーダン政府当局者によると、戦闘が発生した地域の周辺に軍を展開し、取り締まりに当たっているという。当局者は少なくとも5000世帯が避難したと説明した。
ハーワード氏は、「民間人を保護するためには中立的な共同軍が必要」と訴えた。「取り締まりと調停を同時に実施する必要があります...」
スーダンでは昨年10月の軍事クーデター以来、軍事政権に抗議するデモが続いている。
ダルフール地方では昨年末頃から部族間衝突が急増し、数百人が死亡している。4月に発生した戦闘では200人以上が死亡したと伝えられているが、詳細は明らかにされていない。
この暴力は「軍事政権の指導者ブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍にダルフール地方をまとめることができるのか」という疑問を投げかけている。
国連安保理は2年前にこの地域での平和維持活動を終了した。現地の人道機関は国連に平和維持ミッションの再配備を要請している。
アフリカ系部族は2003年、アラブ系で構成される旧軍事政権に攻撃を仕掛け、ダルフール紛争が勃発した。
2019年に追放された独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)はアラブ系部族を武装化し、「ジャンジャウィード」と呼ばれる民兵をダルフール地方に送り込んだと告発されているが、バシルはこの告発を否定している。
国際刑事裁判所はダルフールで行われた大量虐殺と人道に対する罪でバシルを起訴している。