◎アフリカ系部族は2003年、アラブ系で構成される旧軍事政権に攻撃を仕掛け、ダルフール紛争が勃発した。
2022年6月13日/スーダン、ダルフールの集落(Ashraf shazly/AFP通信/Getty Images)

国連人道問題調整事務所(OCHA)は14日、スーダン西部ダルフール地方で発生した衝突の死者が125人に達し、この地域の住民5万人が避難を余儀なくされたと発表した。

地元メディアによると、アラブ系とアフリカ系部族による戦闘は6月6日頃から始まったという。

OCHAは声明の中で、「6月6日~11日の間に民間人125人以上が死亡、多数の負傷者が出た」と報告した。

またOCHAは「25以上の村が略奪者の攻撃を受け、焼き尽くされ、少なくとも5万人が近くの町や村に逃亡した」と述べた。

攻撃を受けた集落の酋長はアフリカニュースの取材に対し、「ここ数日の戦闘で110人以上が殺された」と語った。「この地域は緊張状態にあり、いつ戦闘が再燃するか分かりません」

酋長によると、軍事政権はダルフールの準軍事組織「RSF」を村の近くに配備したという。

RSFはこの地域で大量虐殺に関与したとされるアラブ系武装民兵「ジャンジャウィード」の戦闘員で構成されている。

アフリカ系部族は2003年、アラブ系で構成される旧軍事政権に攻撃を仕掛け、ダルフール紛争が勃発した。

2019年に追放された独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)はアラブ系部族を武装化し、ジャンジャウィードをこの地域に送り込んだと告発されているが、バシルはこの告発を否定している。

国連の平和維持活動(PKO)である国連・AUダルフール合同活動(UNAMID)は2020年末に終了したものの、現地の人道機関は部隊の再配備を要請している。

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