◎ダルフール地方ではこの数カ月、紛争が続いている。
スーダン、西部ダルフール地方の難民キャンプ(United Nations)

スーダン西部ダルフール地方で活動する援助団体は25日、部族間の紛争が勃発し、ここ数日で少なくとも12人が死亡したと明らかにした。

ダルフール難民・避難民総合調整局(General Coordination for Refugees and Displaced in Darfur)は声明で、「南ダルフール州の遊牧民と農民の衝突により、少なくとも12人が死亡、42人が負傷した」と報告した。

地元当局によると、遊牧民が集落のオートリキシャ(自動三輪車)を略奪し、農民が応戦したという。

衝突は22日に勃発し、地元当局は24日に非常事態を宣言。紛争を止めるために夜間外出禁止令を課した。

同調整局はこの紛争で少なくとも12人の死亡を確認し、死者数はさらに増える可能性が高いと警告した。

地元当局によると、この地域の多くの村が略奪に遭い、放火も確認されたという。

地元テレビ局は関係者の話を引用し、「数百人が家を失い、南ダルフール州の州都ニャラに避難した」と報じている。

ダルフール地方ではこの数カ月、紛争が続いている。

中欧ダルフール州で先月発生した衝突では少なくとも48人が死亡したと伝えられている。

ダルフールのアフリカ系部族は2003年、アラブ系で構成される旧軍事政権に攻撃を仕掛け、ダルフール紛争が勃発した。

2019年に追放された独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)はアラブ系部族を武装化し、ジャンジャウィードと呼ばれるアラブ系武装民兵をこの地域に送り込んだと告発されているが、バシルはこの告発を否定している。

国連はこの紛争で最大30万人が死亡、270万人が故郷を追われたと推定している。

2022年6月12日/スーダン、ダルフールの集落(Mustafa-Younes/AP通信)
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