◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬からハルツームなどの支配権を争っている。
2022年1月4日/スーダン、首都ハルツームで行われた抗議デモ(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による戦闘が首都ハルツームで再燃した。現地メディアが2日に報じた。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、戦闘はハルツームの北部で2日早朝から始まったという。

アルジャジーラは目撃者の話しとして、「RSFの戦闘員は軍政の陣地を攻撃すると言っていた」と伝えている。

軍政はこれに対抗し、RSFの拠点を空爆したようだ。

軍政とRSFは4月中旬からハルツームなどの支配権を争っている。米国とサウジが仲介する最新の停戦合意は先月失効し、多くの地域で空爆や銃撃戦が続いている。

人権団体「スーダン医師中央委員会」や国連などによると、一連の戦闘で死亡した民間人は3000人以上と推定され、300万人近くが国内の比較的安全な地域または国外に逃亡した。正確な死傷者数は不明であり、これよりはるかに多い可能性がある。

ハルツーム北部では空爆、東部では砲撃音が確認された。

RSFの報道官は2日、SNSに声明を投稿し、「軍の戦闘機を北部地域で撃墜した」と主張した。

国際移住機関(IOM)によると、スーダン国内における避難民は推定220万人。64万5000人近くが国外に逃亡したという。

国連は同国で人道援助を必要とする人々の数が急速に増え、過去最高の2500万人に達したと報告している。

国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は2日、南スーダンと国境を接する地域の9つの難民キャンプで立ち往生している多くの避難民が飢餓に直面しているとし、国際社会に支援を呼びかけた。

MSFはスーダンの状況を「危機的」とし、戦闘が長引くほど、市民が受ける苦しみが増すと警告した。

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