▽軍事政権の報道官は25日、団体の発表を否定し、民間人がいるエリアは標的になっていないと主張した。
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アフリカ北東部・スーダンの援助団体は25日、西部ダルフール地方の市場が空爆を受け、少なくとも54人が死亡したと明らかにした。
ダルフールの避難民を支援する団体ジェネラル・コーディネーションによると、国軍が北ダルフール州郊外の集落の市場を空爆、大規模な火災が発生したという。
軍事政権の報道官は25日、団体の発表を否定し、民間人がいるエリアは標的になっていないと主張した。
空爆を受けた集落は北ダルフール州の州都エルファーシルの北方約80キロに位置する。団体によると、この空爆で市場の大部分が吹き飛んだという。
別の人権団体は破壊された市場の映像をSNSに投稿。焼け焦げた建造物や黒焦げになった遺体が映っていた。
それによると、犠牲者の大半が女性で、少なくとも23人が負傷、7人が行方不明になっているという。
スーダンでは23年4月に内戦が勃発。軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち400万~450万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
RSFはダルフールの大部分を掌握。エルファーシルで国軍とその同盟組織を包囲し、激戦を繰り広げている。