◎EUの地球観測プログラムであるコペルニクスの科学者は9月30日、大西洋に到達し冷え固まった溶岩の面積は29日遅くの時点で3.3㎢(東京ドーム70個分)に達したと述べた。
9月30日、EUの科学者はカナリア諸島ラ・パルマ島の溶岩は大西洋に流れ込み続けており、被害を拡大させる恐れがあると警告した。
ラ・パルマ島の南端近くに位置するクンブレ・ビエハ山は19日の午後3時過ぎに噴火し、これまでに6,000人以上が避難を余儀なくされた。死傷者は報告されていない。
EUの地球観測プログラムであるコペルニクスの科学者は30日、大西洋に到達し冷え固まった溶岩の面積は29日遅くの時点で3.3㎢(東京ドーム70個分)に達したと述べた。
現地メディアによると、海面から放出されるガスは貿易風の影響で避難地域外に流れており、これまでに深刻な健康被害は報告されていないという。溶岩と海水が接触すると塩素を含む有毒ガスが放出される可能性がある。
しかし、スペインの気象当局は30日の午後以降に風向きが変わり、ガスが内陸部に流れ込む可能性があると警告した。
ラ・パルマ島の自治体とカナリア諸島政府は避難命令の出ていない地域の住民にも外出を極力控えるよう強く呼びかけている。
専門家によると、塩素と小さな粒子状の火山ガラスを含むガスに触れると、皮膚、目、気道の炎症を引き起こす可能性があるという。
クンブレ・ビエハ山の溶岩は山の尾根に沿って西に流れ、民家やカナリア諸島の主要農作物のひとつであるバナナに深刻な影響を与えた。
また、西部の住宅街には斜面や小さな丘が多く、坂道にぶつかった溶岩がより広い範囲に広がると懸念されていた。
自治体によると、これまでに少なくとも855軒の家屋とその周辺を走る道路、およびその他の主要なインフラが溶岩に飲み込まれたという。バナナ農園を営むある男性は、出荷前の緑色のバナナの束をトラックに積み込み避難した。
自治体は避難を余儀なくされた人々だけでなく、溶岩の進行ルートから数キロ離れた地域で生活する住民少なくとも数百人に屋内にとどまるよう強く促した。
カナリア諸島政府に対策を助言する専門家によると、噴火活動は数カ月続く可能性があり、当局は24時間体制で溶岩の広がり具合と風向きを監視する必要があるという。