◎ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。
経口生ポリオワクチン接種の様子(WHO Africa)

世界保健機関(WHO)は17日、アフリカ南部の児童3300万人以上にポリオワクチンを投与したと発表した。

WHOによると、アフリカ南部を対象とするワクチン接種キャンペーンは昨年3月にスタートし、マラウイ、モザンピーク、ザンビア、タンザニア、ジンバブエの児童3300万人以上に約8000万回分のポリオワクチンを投与したという。

ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。

死亡率は地域によって異なるが、ワクチン未接種の小児で2~5%、成人は15~30%、妊婦はさらに高いと推定されている。

マラウイでは昨年2月、首都リロングウェで野生型のポリオウイルスが検出された。アフリカ大陸でこのタイプのポリオが確認されたのは5年ぶりであった。

その後、野生型は隣国のモザンビークでも確認されたため、近隣諸国は防疫体制を強化した。

WHOによると、マラウイで確認された野生型ポリオはパキスタンから持ち込まれたものだという。パキスタンと隣国のアフガニスタンは世界で唯一、野生型ポリオが定着している。

各国の保健当局とWHOの努力により、野生型はほとんど拡散しなかった。昨年3月以降のマラウイの感染者は1人、モザンビークは8人に抑え込んだ。

アフリカ大陸で近年確認されているポリオ患者の大半がワクチンに含まれるウイルスに起因するものであり、野生型はごくわずかである。

専門家によると、経口生ポリオワクチンに含まれる「生きたウイルス」がワクチンを接種していない個人の間で稀に流行することがあるという。

ポリオは主に人から人へ、または汚染された水を通じて人に感染する。

WHOアフリカの報道官は声明で、「これからもすべての児童にワクチンを摂取する取り組みを継続する」と述べている。

アフリカ南部で昨年行われたワクチン接種キャンペーンは19回。今年は現時点で5回行われることが確定しており、さらに増える予定だ。

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