◎キール大統領と政敵のマチャル副大統領が協定に合意したことで、緊張はひとまず緩和された。
2019年10月20日/南スーダンのサルバ・キール大統領(左)とマチャル副大統領(Sam Mednick/AP通信)

南スーダンの大統領と副大統領は3日、国軍の司令部を一本化する協定に署名し、緊張を緩和することに合意した。

サルバ・キール政権の権力争いは国の安全保障と2018年の和平協定に深刻な影響を与えると懸念されていたが、キール大統領と政敵のマチャル副大統領が協定に合意したことで、緊張はひとまず緩和された。

マチャル大統領は先月末、地域調停者に充てた書簡の中でキール大統領が2018年の和平協定に違反していると非難し、24日に上ナイル州で発生した人民解放軍による国軍への攻撃を擁護していた。

大統領の報道官によると、両指導者は軍や警察を含む治安機関の統一に合意し、権力配分はキール大統領が6割、マチャル副大統領が4割になったという。権力配分の詳細は明らかにされていない。

両指導者は首都ジュバで行われた調印式に立ち会ったが、直接顔を合わせることはなかったと伝えられている。

AP通信によると、先月28日に上ナイル州で発生した国軍と人民解放軍の衝突はひとまず収まったが、3日の調停で緊張が緩和されるかどうかは不透明な情勢だという。

安全保障を担当する大統領顧問は3日、「我々は軍の司令部を統一することに合意した」と記者団に語った。「我々は平和のために努力すべきです...」

マチャル派閥のアブチャ鉱業相は、「協定は国の平和を維持する鍵になる」と述べた。「南スーダンの繁栄に銃は必要ありません...」

石油資源の豊富な南スーダンは2011年にスーダンから独立し、平和と安定への期待が高まった。しかし2年後、キール大統領に忠実な組織がマチャル副大統領の組織に攻撃を仕掛け、同国は内戦状態に陥った。内戦の犠牲者は数万人と推定されている。

キール大統領とマチャル副大統領は2018年の和平協定で統一政府を形成することに合意した。

しかし、軍司令部の統一や約束した改革の実施が遅れるなど、未解決の課題が山積していた。

2018年の和平協定を支援した米国、イギリス、ノルウェーは先月、新たな戦闘が統一政府の結束を弱めると懸念を表明した。

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